事業承継に関する豆知識

今後の事業承継対策を考える上で、真っ先に思い浮かぶことは後継者選びではないでしょうか？基本的に、後継者は身内・身内以外の人・別会社の3つの選択肢から選ぶことになります。こちらでは、それぞれの選択肢について詳しく解説していますので、千代田区で事業承継をお考えの経営者様はぜひ参考としてお役立てください。

親族内承継とは、文字通り自身の子や孫に事業を引き継がせることです。身内であれば、企業理念や経営者としてのポリシーについてお互い共感できるところは多いものです。そのため、引き継ぎの際も比較的スムーズに進みます。しかし、事業資産や株式を後継者である親族一人に相続することになるため、他の相続人と遺産トラブルになる可能性があります。

現在は経営環境の変化が激しいため、会社が存続するために経営者として求められる資質が増々高くなっています。そのような中で身内に承継させたいという心情よりも会社の持続的発展を重視するのであれば、その資質を兼ね備えた後継者を選ぶことが経営者としての責務です。もし身内にそのような人がいない場合は、後継者として優秀な従業員を選ぶか、外部から招聘することを検討しなければなりません。

後継者としてふさわしい人が身内や社内外にも見つからない場合は、M&Aを検討することも一つの手です。M&Aを行えば早期に事業承継することが可能であり、買取った企業の経営規模や事業内容次第ではさらなる事業の発展が見込めます。

事業が発展すれば、その分従業員の雇用安定化を図ることができますので、経営者として安心して会社から離れることができるでしょう。しかし、買い手がなかなか見つからなかったり、M&A後に従業員の雇用条件が大きく変更されたりする可能性もあります。

大企業では、代表取締役の候補者が多くいるため、経営者一人の交代によって会社の経営が大きく揺らぐということは少ないです。

一方、中小企業の場合は、会社経営のほとんどの部分が経営者一人の方針に依存していることが多いため、経営者が変わると会社の経営が大きく傾き、廃業に追い込まれてしまうケースも珍しくありません。

社長が若い頃に一人で起業して、苦労しながら事業を拡大してきたという中小企業の場合は、特にこうした傾向に陥りがちです。したがって、中小企業の経営者は、なるべく早期に事業承継対策を考えておくことをおすすめします。